冷凍食品
みなさんこんにちは
特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。
冷凍食品の技術はここ数年で格段に進化しました。
共働きの家庭が増えると共に主婦の家事に費やす時間が減り、料理をつくる手間も限られて来ています。
その様な時に便利なのが冷凍食品です。
今回は今や日常生活には欠かせないものとなっている冷凍食品について考えてみましょう。
冷凍食品の歴史
冷凍食品とは長期保存を目的に冷凍状態で製造・流通・販売されている食品のことです。
しかし、現在は保存食としてだけではなく、調理の手間を省く簡易食品としても非常に重宝されています。
このように冷凍食品は非常に馴染み深いものとなりましたが、この技術が確立されるまでには大変な時間がかかっています。
冷凍食品の生みの親はなんと「ジャム」であったと言われています。
ジャムはあまり日持ちしない上、カビが生えやすい食品です。
そこでジャムの原料であるイチゴを新鮮な状態で保存する技術が必要になりました。
1900年代の初めにアメリカで開発されたのが「冷凍する」という技術だったようです。
それ以来、食品を新鮮に保存し、輸送する方法として冷凍するという技術はあっというまに広まっていきました。
アメリカでは1920年代には、はやくもフリーザー付き冷蔵庫が一般家庭用に普及してきました。
日本では、アメリカに比べて約10年遅れて、1930年代にようやく冷凍食品の元祖ともいうべき冷凍フルーツが普及しはじめました。
しかし当初は、組織が破壊されるため味が悪く、冷凍食品に対する印象は決して良いものではありませんでした。
その後「冷凍みかん」が発売されるとこれが好評でブームとなり、これをきっかけに高度成長期に入った1960年代に本格的に冷凍食品が一般家庭にまで広まったと言われています。
さらに1970年代には電子レンジの普及により温めることや解凍作業が簡易化されたために冷凍食品の利用が一気に拡大されました。
冷凍技術の進歩
食品の保存方法として画期的な技術である冷凍保存法が登場したのですが、当初は現代のように“おいしい冷凍食品”を作ることはできませんでした。
腐敗を起こさないという技術としては画期的だったのですが、最大の問題点は歯ごたえがなくなり、味が悪くなるという食味という点で問題があったのです。
どうしてそのような問題が生じるかを調べてみると冷凍の方法にやはり問題がありました。
当時冷凍をする場合15℃の食品を-25℃にまで温度を下げるのに約10時間もかかりました。
特に『-1℃~-5℃』の温度域を通過させるために約6時間も消費してしまっていました。
この温度域は『最大氷結晶生成帯』(以下、【氷生成帯】)と言い、これは食品中の水分が凍結する温度なのです。
すなわちこの温度帯になると水は氷になり、そのために体積が膨張し、食品の細胞を破壊してしまいます。
食品の中でも食肉・魚介では、その7~8割、青果では8~9割以上を水分が占めるため影響は甚大です。
したがってこうしてできた冷凍食品を解凍すると「壊れた細胞から水分(ドリップ)」が流れ出し、ドリップとともに味覚成分や栄養も失われ、食品自体の歯ざわりも悪くなったのです。
この問題を解決するために開発されたのが「急速冷凍」という方法です。
この方法では【氷生成帯】を30分以内に通過させるために氷の結晶は小さく留まり、ダメージが減るため、美味しさを保てることになります。
「急速冷凍」は、現代の冷凍食品には欠かせない技術となっています。
冷凍食品を美味しく
冷凍食品をおいしくいただくために良い方法を三つお知らせしましょう。
1つ目は運搬時になるべく【溶かさない】ように自宅迄持っていくことです。
冷凍食品は温度が上がったり、解凍すると、腐敗や食中毒の原因となる微生物が活動できるようになります。
冷凍食品は溶ける過程で膨張した水の結晶のために破壊された細胞などから美味しさの成分等が流失してしまい、美味しさを保つことができなくなってしまいます。
解けるのを防ぐためには買い物の際には冷凍食品は最後に購入し、なるべく素早く冷凍庫に入れると良いでしょう。
溶けかかった場合の応急処置としてはアルミホイルに包むことや、凍ったものと接触させて凍結時間を短くして、ふたたび冷凍状況に戻すことです。
2つ目は【保存温度を-18℃以下にする】ことです。
食品衛生法では、冷凍食品の温度を微生物が繁殖できない「-15℃」と定めています。
加えて業界団体などにより、流通や販売などの段階で微生物が繁殖しないようにするため、および長時間品質を保持するため「-18℃」と定められているのです。
一般家庭の場合、冷凍庫を開閉する関係上、若干ながら劣化が進んでしまいます。
冷蔵室は食品を詰め込みすぎると、効率が悪くなりますが、逆に冷凍室はギッシリ詰まっていたほうがお互いを冷やし合うため効率が良いようです。
また、もともと凍っているものであれば、新聞紙で2重3重に包むことで断熱性による保冷効果を期待できます。
3つ目は【3ヶ月以内に食べる】ことです。
冷凍食品の袋を開けると中身に霜が大量についていることがありますが、これは食品がもっていた水分が昇華した(蒸気になった)ものです。
一般家庭の冷凍庫の場合、冷凍された食品の水分は1年で殆どなくなってしまうと言われています。
これらを3つ踏まえて“おいしい冷凍食品”をご活用ください。