石鹸(せっけん)

みなさん、こんにちは

特殊水処理機『新ん泉』 AtoZの桜井です。

人類の発展に病気や衛生面への対策は重要です。

コロナ禍では手洗いの重要性が見直され石鹸や消毒に注目が集まりました。

今回は私たちの生活に欠かせない「石鹸」について考えてみましょう。

石鹸の始まり

石鹸の「鹸」という文字には「灰汁」や「塩基(アルカリ)」という意味があり、石鹸という名前は「固形のアルカリ」ということです。

石鹸は油脂をアルカリ性のものと混ぜた時に起こる加水分解という化学反応によって作られます。

石鹸の始まりは5000年前までさかのぼり、紀元前3000年代の古代バビロニア南部に居たとされるシュメールという民族が残した粘土板には、石鹸の製法が刻まれており、これが最も古い記録と考えられています。

また同じ時期の古代ローマでも石鹸の原形となった「キレイに洗濯できる不思議な川」が発見されていました。

この土地はサポーの丘と言い、英語で石鹸を意味するソープ(soap)の語源となっています。

こちらでは神への供物として羊の肉を焼く風習がありました。

その際に滴り落ちる脂肪(油脂)と薪の灰(アルカリ性)が混じった物が自然に地面に溜まり、そこに雨が降ることで石鹸の成分が川に染み出したことが原因だと考えられています。

私たちは原始人の生活を想像するときに「たき火で肉を焼く姿」を連想しますが、その時に石鹸成分が自然に作られたのです。

そう考えれば、石鹸の発見は偶然ではなく必然だったと言っていいのかもしれません。

これほど古くからの歴史がある石鹸ですが、大量生産されるようになり普及したのは18世紀末の産業革命以降とされています。

この石鹸の普及と医療の進歩もあいまって皮膚病や多くの経口伝染病が減少したと考えられています。

ちなみに産業革命以前にも石鹸の製造方法自体は多方に伝わっていました。

1596年には日本にも伝わってきていたことが記録されています。

しかしその頃の石鹸は高級品であったため一般市民の手元に届くことはありませんでした。

石鹸の洗浄効果

石鹸がない時代は、洗濯をする場合、川などでカラダを洗うついでに、洗濯物を叩く、踏むという力技で汚れを強引に引きはがす方法が主流でした。

また植物の灰を水にひたしておくと出てくる灰汁(アク)や、米ヌカ・米のとぎ汁、ダイコンや芋の煮汁などを使うと汚れがよく落ちることは知られており、それらを洗剤として利用していたようです。

灰汁は天然のアルカリ成分が洗浄効果を生み出しています。

当時の汚れは現代と比べれば油汚れが多くなかったでしょうから、効果は充分にあったと言えます。

石鹸とそれ以前の洗浄方法の大きな違いとしては、やはり油汚れに対する効果の違いが挙げられるでしょう。

石鹸とは界面活性剤であり、油や油を含む汚れを水に分散させる作用により洗浄能力を発揮しています。

界面活性剤とは、分子の中に水にくっつく部分(親水基)と、油にくっつく部分(親油基)という二つの性質を併せ持つ物質の総称です。

この界面活性剤が水と油の仲介役になることで、本来は水をはじいてしまうような油汚れも、石鹸水であれば洗い流せると言う事です。

固形と液体の違い

現代の石鹸は液体のモノが主流であるといえます。

液体の石鹸になるか固形の石鹸になるかは製造する過程で決まります。

液体の石鹸には水酸化カリウムというものが使われ、固形の石鹸には水酸化ナトリウムというものが使われています。

どちらも石鹸を製造する際に油脂に混ぜるアルカリ成分ですが、水酸化カリウムを使った場合には常温で液体の石鹸が作れるのです。

液体石鹸のメリットは使いやすさはもちろんですが、すすぎ残しによる石鹸カスの蓄積を抑制してくれる点も全自動洗濯機による洗浄が主流の現代にマッチしています。

ただし洗浄力に関しては液体よりも固形の石鹸の方が強いと言われています。

これは単純に固形の石鹸のほうがより多くの石鹸成分(界面活性剤)を含んでいるからです。

固形石鹸も工夫次第で持ち運んで便利に使えますので、是非試してみてください。

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