キャビア

みなさんこんにちは

特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。

世界三大珍味は、地中で成長するキノコ「トリュフ」、チョウザメのほぐした魚卵「キャビア」、肥大化させたアヒルの肝臓「フォアグラ」の3つの食材を指します。

今回はキャビアについて考えてみましょう。

世界三大珍味

キャビアを話題に出すときによく世界三大珍味として紹介されますが、実はこの枠組みは日本で考案されたものです。

日本で考案されたものですから、基本的には外国で通じません。

ただし、キャビア・トリュフ・フォアグラがとても有名な高級食材であることは間違いありません。

「珍味」には世界三大珍味の他にも日本三大珍味(越前の塩ウニ、三河のこのわた[なまこの腸]、長崎のからすみ[ボラの卵巣])、中国三大珍味(ツバメの巣、フカヒレ、アワビ)などのバリエーションが存在します。

 

チョウザメ

キャビアで有名なチョウザメはサメという名前から、鋭い歯を持ち、海でギャングをしているサメの一種だと思われがちですが、実際は歯を持たず、どちらかといえばナマズなどに近い淡水魚です。

歯が無いので食事の際にはなんでも丸呑みです。

大型種ともなると、その体長は3~4mになり、サケを丸呑みにしていたという逸話もあるようです。

実はチョウザメは恐竜より古い歴史をもつ「古代魚」で、2億年前のジュラ紀初期にはすでに存在していた魚です。

ちなみに人間の誕生が260万年前、生きた化石と言われるシーラカンスは3.5億年前に誕生していたそうです。

エジプトには紀元前1460年頃に刻まれたとされるチョウザメのレリーフが残されています。

現代でこそキャビアのイメージが強いチョウザメですが、古代からその魚肉が食べられていたという記録があります。

その魚肉はとても美味で、イングランド王エドワード2世に至ってはチョウザメを王室の物とするという法律を作ってしまったほどです(※諸説あり)。

ちなみに、この法律は現代でも無効になっていません。

チョウザメは古代より王や女王、皇帝、国家君主に愛され、「エンペラーフィッシュ」「ロイヤルフィッシュ」などと呼ばれる大変貴重で由緒ある魚です。

なお、チョウザメの魚肉にはサメのようなアンモニア臭はなく、その風味はフグやタイに似ていると言われます。

キャビアの歴史

キャビアと言えば、高級食材というイメージですが、実はキャビア(チョウザメの魚卵)には家畜の餌や一般大衆の食材として使われていた過去があります。

紀元前4世紀にはアリストテレスがチョウザメの卵についてコメントを残していることから、すでにチョウザメの魚卵を食べる文化はあったようです。

1280年頃のキャビアの価値はまだバターと同じくらいで、一般市民にも気軽に食べられていました。

それが高級食材へと変貌を遂げたのは、ロシア帝国を女帝エカテリーナ2世(1762-1796)が統治していた時代でした。

盛大な晩餐会のテーブルにキャビアが置かれたことをきっかけに、たちまちヨーロッパ諸国にキャビアの存在が知れ渡ります。

冷蔵を使った輸送手段や鉄道などのインフラが整うと交易が活発化し、ヨーロッパ中にキャビア市場が出来上がりました。

乱獲を防ぐためにチョウザメ漁は17世紀以降から常に国家の管理下に置かれていたのですが、1991年ソビエト連邦の崩壊により管理体制がゆるくなり、密漁と闇取引が横行しました。

その結果、天然のチョウザメは一気に絶滅の危機に瀕しました。

養殖のキャビア

現在市場に出回っているキャビアのほとんどは養殖されたチョウザメからとったキャビアです。

チョウザメの養殖は日本各地でも行われており、国産のキャビアも多く出回っています。

チョウザメは本来50~100年以上生きると言われ、人間よりも長生きかもしれません。

キャビアが取れるようになるまでには早い種類でも7年程度、遅い種類では15年以上の飼育が必要と言われています。

本来は繰り返し産卵できる魚なのですが、キャビアを採卵する際にはその個体を殺していたことも希少価値が高めた要因でしょう。

近年はチョウザメに極力負担を掛けず繰り返し採卵できる方法も確立されたため、今後チョウザメを取り巻く環境は改善されていくかもしれませんね。

チョウザメは20種類以上いますが、キャビアが採れるのは、そのうち数種類だけです。

キャビアはチョウザメの種類ごとに「ベルーガ(約35粒/g)」「オシェトラ(約50粒/g)」「セヴルーガ(約75粒/g)」の順でランクが付けられていますが、これはキャビアの粒の大きさで決まっています。

基本的に大型種からは大きなキャビアが採れるのですが、採卵に至るまでの飼育期間も長くなってしまうそうです。

一番高価なキャビアはベルーガから採れるキャビアです。

40年前のソ連の航空機のファーストクラスでヨーロッパへ旅行すると最高級のキャビアが食べ放題のサービスが有ったそうです。

 

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