セメントとコンクリート

みなさんこんにちは

特殊水処理器『新ん泉』 AtoZの桜井です。

セメントとは本来、接着剤全般を指す言葉です。

コンクリートはセメントと砂利や砂・混和剤と呼ばれる化学薬品と水を混ぜて固めたものを言います。

しかし一般的には水などにより硬化する粉体でコンクリートに使用されるセメントのことを指します。

今回はこの一般的なセメントとコンクリートについて考えてみましょう。

セメント

私たちがセメントと呼んでいるのは大抵「ポルトランドセメント」と呼ばれるものです。

国内で生産されるセメントの75%がこのポルトランドセメントであり、硬さや色がイギリスにあるポートランド岬の岩石に似ていることから名づけられたと言われています。

セメントは水を混ぜた際に乾燥することによって固まるものと思われがちですが、実は「水和反応」と呼ばれる水との化学反応によって固まります。

セメントの製造工程は大きく3段階に分けられます。

①原料・粉砕工程:おもな原料である石灰石・粘度・ケイ石・酸化鉄を中心に、定められた構成成分になるように粉砕・乾燥・混合して成分が安定した粉体を作ります。

②焼成工程:混合された粉体を高温(最高1450℃)で焼成し、化学反応を促します。その後一気に冷却してクリンカと呼ばれる黒いカタマリを作ります。

③仕上げ工程:「クリンカ」に「石こう」を加えて細かい粉末になるまで粉砕するとセメントの完成です。

ちなみに「石こう」はセメントが硬化する速さを調整するために加えられています。

作られたセメントに砂と砂利を混ぜ込み、水を加えることで生コンクリート(生コン)となります。

生コンは水を加えた段階から2~5時間ほどで固まりはじめますので、90分以内に工事現場に届けなくてはならないのです。

その途中で材料が分離しないように生コン車でかき混ぜながら運ばれます。

セメントと環境問題

環境問題における観点からセメント工場の需要は高まる兆しがあります。

日本にある多くのセメント工場ではセメントの原料として積極的に廃棄物を活用しています。

たとえば自動車の金属部分などを回収された車体は、シュレッダーダストと呼ばれるバラバラな状態にされた後に、セメント工場に運ばれて燃やされています。

この時に燃え残った灰を粘土としてセメントに加えます。

なおセメント製造では、1450℃という超高温で焼成するため、プラスチック類からダイオキシン(700℃前後の燃焼で発生すると言われる)も発生せず安全なのです。

自動車のタイヤはそのまま工場に持ち込まれ燃やされます。

この時にゴム部分は燃料として、タイヤの骨組みとなっているスチールワイヤーは鉄成分として再利用されます。

この他にもゴミ処理場、下水処理場、火力発電所、各種工場などなど、多種多様な廃棄物や副産物を引き受け、セメントの原料としてリサイクルされています。

この廃棄物をセメント工場で活用する仕組みの優れている点はセメント製造の過程において

①大量の廃棄物を処理可能

②無害化できる

③二次廃棄物が発生しないという点です。

これは日本独自の取り組みとして世界から注目を集めるシステムなのです。

コンクリートの強度

コンクリートは「おされるチカラ」には強いですが、引っ張ったり、曲げたりするチカラには弱いという弱点があります。

この弱点を補う為に鉄筋を組み込むのですが、鉄筋はとても重たいので、高層ビルの上層には、なるべく使いたくありません。

超高層ビルの需要が高まる現在、より軽くてより丈夫なコンクリートが求められています。

実用化されている例としては、まずシリカフュームプレミックスセメントがあります。

通常、固まったコンクリートの内部には細かい空気の隙間があり、この隙間が多くなるほど強度は下がります。

この空気の隙間を埋めるとても細かい粒子を混ぜ込むことで通常の3倍の強度をもつコンクリートになります。

別のものとして超高強度繊維補強コンクリートがあります。

セメントに「繊維のかけら」を混ぜ込むことで通常の5倍という強度を持ちつつ、曲げるチカラに対しても強くなります。

自在に形状を変えられ、軽くて丈夫なコンクリートは高層建築に欠かせない技術なのです。

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