豆腐(とうふ)
みなさん、こんにちは
特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。
冬は湯豆腐、夏は冷ややっこ、と日本の食卓では欠かすことのできない食品です。
豆腐はエネルギーの吸収効率も良くタンパク質が豊富で非常にカラダに良い食品です。
今回は「豆腐」について考えてみましょう。
豆腐とは
豆腐(とうふ)とは、煮た大豆の搾り汁(豆乳)を凝固剤で固めた加工食品のことです。
豆腐の起源は諸説あり、紀元前2世紀には存在していたという説があります。
豆腐発祥の地は、中国とされています。
8世紀から9世紀頃には確実に造られていて、日本へは奈良時代(710~784年)に、中国に渡った遣唐使の僧侶等によって伝えられたとされていますが、明確な記録はないようです。
豆腐が記録として登場したのは、寿永2年(1183年)のようです。
豆腐には「腐る」という文字があてがわれていますが、中国でこの「腐」にはブヨブヨしたものという意味が込められているようです。
しかし日本では「腐」という字に良いイメージがないため「豆富」と記載されることもありました。
日本で豆腐というと絹ごし豆腐と木綿豆腐という2種が一般的です。
この2種の違いは製造工程の途中にあります。
豆腐を作る際にはまず、何度も洗浄した大豆を水に漬けて一晩ふやかします。
ふやかした大豆を磨砕し、加熱したのちにろ過(絞り)、豆乳とオカラに分離させます。
豆乳を型に入れ凝固剤でそのまま固めたものが、絹ごし豆腐です。
そこから一度豆腐状になったモノをくずし、布の敷かれた穴の開いた容器に移し換えてから、重しを乗せて水分を抜くと木綿豆腐になります。
栄養成分的に木綿豆腐は豆本来の成分(タンパク質やカルシウムなど)が多く、絹ごし豆腐は水溶性の栄養成分(カリウム、ビタミンB群など)が多くなります。
豆腐の定義
実は2022年7月現在、豆腐の定義には明確なルールがありません。
定義があいまいであるということは私たち消費者側は商品の違いを見抜くことが困難となります。
逆に豆腐屋さん側からしたら不当で過剰な価格競争を強いられ、品質や価値の低下を招く原因となります。
例えば凝固剤の種類によって豆腐の固まりやすさは変わります。
具体的に言うと1丁300gの豆腐を形成するために必要となる大豆の量は、伝統的なニガリを用いた製法の場合85gは必要だと言われていますが、最新の凝固剤を用いた製法の場合は30gもあれば豆腐になるそうです。
しかし、薄い豆乳から作られた豆腐と濃い豆乳から作られた豆腐の成分表示は同じものになる可能性が有ります。
私たち消費者側にはその違いを見抜く術は今のところありません。
さらにもう一つ問題となっていることは「何にでも豆腐という名前がつけられる」ということです。
極端な例を出せば、豆腐という名前と共に広く浸透しているゴマ豆腐(ゴマと葛粉)、玉子豆腐(だし汁と鶏卵)、杏仁豆腐(寒天と杏仁と呼ばれるアンズ類の種核)などは製造過程において大豆やニガリは使われません。
これらの様々な問題に直面した豆腐業界は2015年頃から「豆腐公正競争規約」を設定することを目標としています。
豆腐の賞味期限
豆腐はかなりデリケートな食品と言えます。
未開封の豆腐であれば多少賞味期限が切れていても安全だと認識している方も多いかと思いますが、それは間違いです。
豆腐は未開封でもパックの中で菌が増殖することはあります。
豆腐の原材料「大豆」には、土壌由来の細菌・カビが付着している可能性が有ります。
豆腐製造の際に特に注意されている細菌はボツリヌス菌やセレウス菌といった芽胞菌と呼ばれるものです。
芽胞(がほう)という特徴をもつ細菌たちは100℃前後の温度では殺菌されません。
それらの細菌には大豆を念入りに洗浄することで対策していますが、完全にゼロにすることは難しい事のようです。
傷んでしまった豆腐は、酸っぱい臭い、粘り気、カビの発生、茶色っぽく変色、口にするとピリピリとした刺激があるなどの信号が現れるので期限切れの豆腐を見極める際には参考にしてください。
「酢豆腐」や「ちりとてちん」など腐った豆腐を題材にした落語がありますが、腐った豆腐を実際に食べてしまうと下痢や嘔吐でかなり苦しむことになると思います。
たとえ賞味期限内でも豆腐に少しでも異常や違和感がある場合は、決して飲み込まずに速やかに吐き出して、口をすすぐなど対処しましょう。