親水性

みなさんこんにちは

特殊水処理機『新ん泉』 AtoZの桜井です。

親水性とはなかなか聞きなれない言葉ですが、水の働きに関しての重要な性質ですので取り上げてみます。

水は人間の歴史にも生活にも密接な係わりがありますが、物質の基本的な性質は水に親しみやすいかどうか(=「親水性」があるかどうか)で大きく左右されます。

気温が高くなると水に接する機会も増えてきますので、今回は水に接するという「親水性」について三つの側面から考えてみましょう。

水素結合

物理や化学でいう親水性(しんすいせい、hydrophile)は、水に溶けやすいかあるいは水に混ざりやすい性質が有るかと言う事であり、ギリシャ語の”water(水)”を意味するhydros と、友好を意味する philia に由来します。

水分子はH2Oという化学式で表しますが、実はある意味で非常に特別な分子です。

水分子は酸素原子1個と水素原子2個が結合しています。

酸素原子の持つ電気陰性度(=電子をひきつける強さ)が水素原子のそれよりかなり大きいために水分子自体としては電荷としては中立ですが、酸素原子側はプラス(+)に水素原子側はマイナス(-)の電気的な特性(双極子現象)を持っています。

このため水分子は通常、水分子が単独で存在するのではなく、水分子の酸素側と別の水分子の水素側がお互いに引き合ってあたかも分子同士が結合したのと同じような状態で存在します。

このように水素原子が他の分子と引力的結合状態を作り出すこと水素結合(hydrogen bond)とい言います。

水が水素結合をした水分子の集合体であるために水分子集合体(クラスター)には多くの空間(隙間)ができます。

砂糖や塩が水に溶けた状態、というのが砂糖や塩の分子がクラスターの隙間に入ってしまい見えなくなったことを言います。

親水性とは水分子との間に水素結合を作ることで、水に溶解しやすい(≒水分子の空間に入り込む)か、あるいは水に混ざりやすい(≒水分子に近接して安定できる)性質のことです。

生命においてもこの水素結合が重要で、DNAが二重らせん構造をとることやたんぱく質が高次元構造を形成できるのはこの水素結合が寄与しているためです。

たとえばウールは、タンパク質繊維が水素結合によって集合しており、延ばした時に戻る性質をもち、水をはじく撥水性がある一方で吸湿性が良く、保湿性もあるのはこうした水素結合が原因です。

しかしながら、ウールを高温で洗浄すると、この水素結合が永久に失われ、衣服の形が元に戻らなくなります。

親水軟膏

一般に軟膏(なんこう)と呼ばれているものは水をはじき、皮膚の皮膜保護作用もおこなう薬剤の事です。

油脂類のワセリンやパラフィンなどを基剤にしてその中に分散して有効成分が存在する形になっています。

こうした軟膏の特色は伸ばしにくく、洗い流しにくいという欠点にもなります。

これに対し親水性の基剤(油脂と水を乳化剤で乳化したもの)をもとに成分を配合したものは一般にクリームと呼ばれています。

乳化剤として陰イオン型の石けん類や非イオン型のエステル類などが用いられ、特に水中油型(o/w型)と呼ばれる水の中に油を少量加えて乳化状態にした乳剤性基剤のものは親水軟膏(バニシングクリーム…白いクリームが伸ばしていくと透明になって消えてしまうタイプ)と呼ばれ利用されることが増えています。

親水軟膏の特色は、水ベースなので肌にサラリとなじみ、基剤中の水分が蒸散した後はw/o(油中水型)となり、オイルベースの特色である皮膚のしっとり感を持続させてくれます。

もともと親水軟膏は皮膚刺激性の緩和を目的として研究され、この組成になったもので、皮膚浸透性が大きく、現在も乾燥型の皮膚疾患に適用されています。

化粧品同様の外観を示し、ふわふわと柔らかく、生クリームを硬くホイップした感触で、使いやすさや、水洗除去の容易さで快適性が向上しました。

こうした特色をいかした開発が今後も増えるものと思われます。

親水公園

人間にとっての水と水辺の役割は,時代とともに変わってきました。

古代、文明はほとんどが河川流域で発達し、河川の氾濫は人々に大きな被害をもたらしてきたため、治水が行政にとって重要な課題でした。

文明の発達とともに水の役割は拡大し,生命維持のための飲み水や食料摂取のための水辺から生産活動のための農業・工業用水という生産基盤としての水が求められるようになってきました。

そして、さらに現在では「水辺の存在自体」に価値がある景観形成や微気象緩和,生物生息といった役割やレクリエーション機能,非生産(非日常)的利用である災害時の防災利用などが注目されています。

都市化の進展と共に水辺の環境は変化し、環境問題がクローズアップされ、河川においても、治水のほかに親水が重視されるようになっています。

治水のためにコンクリート護岸になってしまった川を、自然護岸あるいはそれに近い状態に戻して人々と川との間の垣根を低くすることで、川への親しみを取り戻し、水質汚濁を防ぎ、生物にやさしい水辺を取り戻したいという市民の欲求が高まってきたことによるものです。

こうしたことはただ単に住環境として悪化した水辺を元に戻そうということではなく、水辺や水の存在が人間にとって必要な、いわば本能として持っている「親水性」がこうした活動になっているともいえます。

全国各地で親水公園が整備されて、そこで水に親しむための活動が行われています。

たとえば群馬県の館林市の鶴生田川(つるうだかわ)では市街地の活性化として「親水大作戦」の名前で、2002年(平成14年)以来毎年2回、川沿いのプランターの花の植え替えとともに、鯉のぼりの掲揚や、子供たちにボートによる川下りを体験してもらい、水と川への親しみを深めてもらおうというような取り組みを続けています。

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