体液の循環システム

みなさんこんにちは

特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。

私達の身体の中には常に体液が循環しています。

海という環境から発生した生物にとって如何にして体内に水を巡らせるかというのは大切なことなのです。

今回はとても複雑な体液の循環システムについて考えてみましょう。

血液

私達の身体は60兆個の細胞によって構成されていると言われていますが、そのすべての細胞に栄養や酸素を運ぶことが血液の役割です。

血液を送り届けるための血管は「動脈」「静脈」「毛細血管」の3種類に分類されます。

人間の血管を全てつなぎ合わせると全長で10万km(地球を2周半の長さ)になると言われていますが、心臓は血液が約1分間で体中を一巡する程の圧力で、一日に8トン(ドラム缶40本分)もの血液を送り出します。

動脈は心臓から高圧で送られてくる大量の血液を通す血管なので太く、丈夫な構造をしています。

静脈は臓器を通過した血液を心臓へと送り返す血管です。

静脈には心臓のような血液を送り出すための臓器がありません。

そのため静脈の血管内部には血液の流れを一定方向にするための弁がついており、静脈付近に存在する筋肉をポンプ代わりにして血液を運びます。

毛細血管は動脈と静脈の間をつなぐ血管です。

最も細いところでは5μm程度の太さしかなく、赤血球(直径7μm)はここを多少変形しながら通過していくのです。(因みに髪の毛の太さは60~90μmです)

血液は「心臓→動脈→毛細血管→静脈→心臓」のように循環しています。

間質液

血液は細胞成分である「血球(赤血球・白血球・血小板)」と、液体成分である「血漿」に分けられます。

血漿にはタンパク質や栄養素など様々な物質が含まれています。

心臓が送り出した血液のうち9割は全身をめぐったあとに再び心臓に戻ってきますが、残りの1割は血管の外に染み出ていきます。

この染み出した血液は「間質液」と呼ばれ、成分的には血漿に似ており、浸透圧などによって血管の壁から出入りします。

間質液は細胞と細胞の隙間を満たし潤いを与え、栄養成分を周辺の細胞に与えます。

役目を終えた間質液は再び血管に戻って血液と混ざり合います。

また一部の間質液はリンパ管に吸収され「リンパ液」になります。

つまり、「血漿」「間質液」「リンパ液」は成分的にはほぼ同じです。

特に海外では間質液のことも区別なくリンパ液と呼ぶことが多いようです。

リンパ液

いわゆる”リンパ“には大きく分けて4つの構造があります。

余分な水分や病原体などの運び手「リンパ液」、リンパ液の水路であり全身にネットワークをもつ「リンパ管」、リンパ節や扁桃(へんとう)、脾臓(ひぞう)などの病原体との戦場であり防衛ラインとなる「リンパ器官」、そして実際に病原体を退治する攻撃部隊である「リンパ球」です。

これらのシステムの総称としてリンパ系といいます。

リンパ系は健康状態の維持には欠かせない「免疫」を司っているシステムです。

ちなみに血液の中には白血球という免疫細胞がありますが、実は白血球のうち30~40%程度はリンパ球なのです。

リンパ球の攻撃能力は白血球の中でも強力なものです。

しかし、白血球の攻撃を免れる病原体も存在し、リンパ液(間質液)の中に病原体が紛れ込んでいた場合、リンパ節まで運ばれてきます。

リンパ節の内部では常にリンパ球が待ち構えており、何重もの防衛ラインが敷かれているため、そこで一網打尽にしてしまいます。

その際に免疫反応というものが起こりますが、風邪の際に首のあたりのリンパ節が腫れるのはこれが原因です。

ちなみに、リンパ節は全身に600個所も点在していると言われています。

また、リンパ系は細胞の隙間に取り残された余分な水分を回収し、血管まで導きます。

細胞の隙間に余分な水分が溜まると、浮腫(むくみ)になります。

リンパ管は静脈に直接繋がっており、リンパ管の内部にはリンパ液が静脈へ向かうように弁がついています。

しかし、リンパ系にはポンプ機能がないため、筋肉の動きなどによってリンパ液を流していますが、血液に比べると非常に流れが遅く、片道のみであるにもかかわらず静脈にたどり着くまでに12時間も要する所もあるそうです。

このようにリンパ系は血管システムの補助という重要な役割を担っているのです。

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