小惑星

みなさんこんにちは

特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。

宇宙開発は加速度的に進歩を続けています。

火星にも太古の昔に水があったことが確認されました。

日本のハヤブサⅡが資料を持ち帰った小惑星リュウグウは直径約700メートルの小惑星です。

今回は昨今NASAの発表によって話題になった水の痕跡をもつ小惑星ベンヌについて考えてみましょう。

小惑星ベンヌ

ベンヌはアポロ群に属する小惑星です。

アポロ群というのは小惑星のグループのひとつです。

この小惑星たちは公転軌道が地球の公転軌道と交叉する小惑星グループの中でも、地球に対して非常に近づくことがあるので、隕石となる「潜在的脅威」として考えられています。

ちなみにアポロ群の中で最大の小惑星は「シシュフォス」という名の星で、直径10㎞前後の大きさと推定されています。

本題のベンヌは直径500メートル程で、時速10万㎞(1時間で地球2周半)のスピードで移動しています。

2009年に行われた力学的研究によると、ベンヌは2169年から2199年までの間に8回地球に接近し、そのどれかで衝突する可能性が示唆されました。

もしベンヌが隕石となって地球に衝突すれば広島原爆の200倍以上のパワーがあると予想されています。

2013年にロシアで起きた隕石災害(天文現象と言うそうです)は記憶に新しいですが、この隕石に関してNASAが調査した推定によると、大気圏突入前の隕石の大きさは直径17m、地球に対する相対速度は時速6500㎞程だったそうです。

ただし上空約20㎞で爆発し、分裂したため、被害はかなり軽く済んだと考えられています。

もしもベンヌ程の大きさの隕石が地面に衝突するような事があれば比較にならないほどの事態が容易に想像できます。

6604万年前メキシコユカタン半島に衝突した小惑星(隕石)は直径が10㎞~15㎞で恐竜が絶滅した原因と考えられています。

オシリス・レックス

オシリス・レックスはアメリカのNASAがアリゾナ大学などと共同開発した宇宙探査機です。

日本では「アメリカ版はやぶさ」と呼ばれることもあり、小惑星ベンヌの詳細観測とサンプル採取、ヤルコフスキー効果(惑星の軌道変化の可否判断)の観測を主目的としています。

2016年9月に打ち上げが成功し、2018年12月3日に小惑星ベンヌ付近へ到達、これから2年以上かけてベンヌを調査した後、2023年に地球に帰還の予定です。

地球からベンヌまで直線距離では約1.2億㎞(月までの距離の300倍以上)ですが、今回オシリス・レックスは円を描くような軌道で接近したため約20億㎞を旅しています。

なお、ベンヌまで200万㎞の地点から赤外線分光計、熱放射分光計、3台のビデオカメラを利用して探索活動を始めました。

サンプル採取の際にもベンヌに「着陸」はせずに、惑星表面に可能な限り接近し、3mほどの長さのロボットアームを伸ばし、その先からガスを噴射して、舞い上がった塵を集めて採取を行うそうです。

サンプルは60グラム以上(最大では2kg)を想定していて、日本のJAXAとNASAは「はやぶさ2」と「オシリス・レックス」で回収したサンプルの一部をシェアして研究します。

小惑星ベンヌは45億年前の誕生時から、組成がほとんど変わっていないと考えられています。

つまり、小惑星の物質を分析することにより、太陽系の歴史や地球で生命の誕生を引き起こした有機物質について、新たな発見が期待されています。

水の痕跡

2018年12月、ベンヌ地表の土壌成分を分析した結果、酸素と水素の原子が結びついた水酸基(OH)の分子をみつけたことが大きく報じられました。

水酸基を持つ化合物、特に分子量が小さいものや複数の水酸基を持つ物質は水となじみやすい傾向があります。

現在、ベンヌには、この分子が地表全体に存在していると予測されています。

太陽系初期の残骸と考えられているベンヌにこれがあるということは、ベンヌの元となった小惑星に液体の水が存在したことを示すものだと、NASAは説明しています。

オシリス・レックスが無事に帰還したあかつきには宇宙の歴史を紐解くうえで、重要な手がかりを持ち帰ってくれるかもしれません。

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