環境にやさしい小水力発電

みなさんこんにちは

特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。

電気が利用され始めたころ、水力発電は発電の主力でした。

やがて容量の大きい火力や原子力に移っていきました。

しかし環境とエネルギーの調和が求められるようになった今、再び水力発電が見直されています。

環境にやさしい小水力発電について今回は考えましょう。

水力は古代からの智恵

水の力を利用するという考えは古代より続くものです。

水の力で製粉・紡績などを行っていました。

電気がエネルギーとして利用され始めたころ、水車に発電機を結合した水力発電が発電の主力でした。

産業の発展により電力需要が伸びてくると、大容量の火力発電所が建設され、次に原子力発電が推進されるようになりました。

原子力発電所の運用が始まったとき、昼と夜の電力需要の格差拡大が問題となり、 原子力を高効率で運用させる方針から、需要にあわせて出力を変動させず一定で運転、その結果夜間の軽負荷時は原子力以外の発電所(主に火力発電所)の出力を押さえることになりました。

しかし、そのような運転は効率の面では好ましくないため、夜間の余剰電力を揚水発電所(上下二つの調整池を持ち、夜間に下部調整池から上部調整池へ水をくみ上げて利用する)で利用する事にしました。

揚水発電所は、単位出力あたりの建設費が火力・原子力発電所より安く、夜間に揚水・貯水し、昼間のピークに利用されています。

発電効率という経済性だけを追求したエネルギー開発はもうこれ以上は難しくなってきました。

有限のエネルギーである、化石燃料の燃焼による地球温暖化を抑え、炭素税の導入や温室効果ガスの排出権の枠組みなどが具体化すれば導入の最大障壁であるコストの点でも水力発電のポテンシャルはあがります。

しかしながら水力開発率がすでに90%近い日本やアメリカでは従来型の水力発電が今後の主流を担うことはできません。

そこで最近注目を集めているのが自然環境との調和が可能で、ダムなどの環境破壊を伴う開発工事を行わず、これまで利用されていなかった水力を効率的に利用できる流れ込み式の小水力発電です。

技術開発の結果従来の発電効率を維持しながらも発電機の回転数を低めに設定して魚などの生物の生育環境にも悪影響を与えにくい水車の開発需要が喚起され、発電の新市場が形成されることも予想されています。

温室効果ガス(二酸化炭素)排出のワースト第1位の中国では、石炭火力が全電力の八割以上を占めており、このため三峡プロジェクトのような巨大ダムを建造して世界最大規模の水力発電が進められています。

数リッターで水力発電!?

従来の水力発電装置は、小型でも100kW~1000kWクラスが中心で、一秒間に何立方メートルという水量を必要としますが、1kWとか0.5kWの超小型発電機が開発され、1秒間に数リッター程度の水量でも発電できる一般家庭用又は小型事業用が発売されています。

設置も本体に取水と排水ホースを繋ぐだけで極めて簡単に設置でき、取水口の落ち葉対策などにもいろいろと工夫がされています。

通常4人家族での平均電力使用量は、月290kWh(一日約9.3kWh、一時間当たり390W)といわれており、従って0.5kWタイプでも1家庭分の電力をまかなうことが可能です。

現在の電力コスト23円/kWhで換算しますと、約10年超で小型発電装置のコストは回収できる状況になってきました。

このような小水力発電装置の用途としては家庭用や農作業用は勿論、工場の排水溝に設置してエネルギーの再利用を図ることや、浄水場に設置またトンネルなどからの湧き水利用発電なども考えられています。

小水力で国際協力

中国の水車製造工場は全土に一千社以上あるといわれ、上位二十社ほどを除けばほとんどが、小水力用を製造しています。

なかには、年間二百台近くの生産を続けている郷鎮企業もあり、雇用の受け皿としても十分に機能しています。

しかしこれらの工場の製造開発技術力はまだ十分ではありません。

日本はこれらの技術を出し惜しみすることなく、中国の地球温暖化抑制水力発電を支援していくことが望まれます。

インドや ロシア、ブラジルなど包蔵水力が大きく開発力が低い国に対する技術支援をすることによって、地球温暖化抑制対策を進めると同時に、国際協力を実現することが可能です。

CO2の排出を抑え、地球環境を守ることはもはや、世界全体で取組む課題となってきており、日本の環境を守るためにも積極的に国際協力を進めることが国際的な地位向上にも最も有効な方策と思われます。

 

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