鮨が食べれなくなる?

みなさんこんにちは

特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。

寒さが増すとおいしくなる魚も増えて、鮨や鍋物など魚を食べる機会も多くなります。

最近の情報ではマグロを初め鮨ネタの漁業資源の減少で20年後には鮨が作れなくなるような状況になりそうです。

日本の食卓には欠かせない魚類が入手できなくなるという水産資源のことを今回はご説明しましょう。

クロマグロさらに高騰?

最高級マグロとして知られるクロマグロ(ホンマグロ)の東大西洋・地中海での総漁獲量が4年間で約2割削減されることが2006年国際資源管理機関の総会で決まった。

2006年10月に高級マグロの一種ミナミマグロ(インドマグロ)についても日本の漁獲枠半減が決まったばかり。

相次ぐ削減に、漁業関係者やすし店などでは不安が広がっていました。

当時東京・築地市場ではマグロを扱う仲卸業者の間で新たな削減の話題で持ちきりでした。

2007年の春先からはホンマグロがどれだけ入荷するか不安だったそうです。

既に取り扱いを減らす小売店も増えている」と厳しい表情で「今後、ホンマグロはさらに値上がりするだろう」との見通しが多く、東京都内のすし店チェーンでは「漁獲量削減に備え、既にクロマグロを大量に仕入れて冷凍保存しているようでした。

2007年6月ごろまで何とか値上げをせずにしのいでいきたいが、影響は避けられない」と語っていました。

(注)市場関係者はクロマグロを他のマグロと区別してホンマグロと呼んでいます。

マグロは希少資源

1992年に京都で開かれた、ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の締約国会議で、クロマグロの絶滅の可能性が指摘され、話題を呼びました。

マグロが食べられなくなってしまうと、ショックを受けた人もいたことでしょう。

このことは、私たちが普通に食べているマグロも海洋に棲む「野生生物」だということを、あらためて認識させられる出来事でした。

一方で、日本では至るところに安くておいしいマグロがあふれています。

日本は、鮮魚および冷凍マグロの世界最大の消費国で、全世界のマグロ生産量の30%を食べています。

世界のマグロの消費量は急激に増え続け、1975年の約90万トンだったマグロの消費量は、2000年には約190万トンにまで膨れ上がっています。

それと同時にマグロの漁獲量も増え続けてきたのです。

最も早く影響がでたのは西大西洋のクロマグロで、ピークの1965年ごろに比べて、1983年には漁獲量は18分の1にまで減りました。

東大西洋や太平洋でも同様のことが起こっています。

東大西洋でも減少していて、現在ではピークの1996年の6割程度しか取れなくなっています。

太平洋でも1990年の漁獲量は1961年に比べて7分の1になっています。

ミナミマグロやメバチマグロでも同様なことが起こっています。

ミナミマグロは1997年の時点で、2020年までに絶滅する可能性があるとまで言われていました。

エビやカニも絶滅?

日本は世界最大のエビ消費国です。

クルマエビに換算すると毎年一人当たり90匹も食べているそうです。

日本人は昔からこんなにエビを食べていたのか?というと、そうではありません。

エビの消費量はここ数十年で急に増えたのです。

1955年には一人当たりの年間の消費量は0.5kgでしたが、2002年には約2.3kgにもなっています。

理由は、安い養殖のエビが大量に輸入されるようになったからです。

価格も20年前に比べて半値ぐらいになっています。

エビの養殖は1980年代から急速に発展し、現在では世界の海産エビ総生産の1/4が養殖のエビで占められています。

一方、エビの輸出国は、中国、タイ、インドネシア、エクアドル、メキシコなど、アジアや中南米の国々です。

そして養殖エビの99%はこれらの開発途上国から輸出されています。

日本が輸入しているエビの70%は、ベトナム、インドネシア、インド、中国、タイの5カ国から来ています。

そして、この同じ5カ国が世界の養殖エビの70%を生産しています。

このエビの養殖が、これらの開発途上国で大きな環境破壊を引き起こしています。

過去20年間で25%のマングローブ林が失われ、うち1/3はエビの養殖池によるものと考えられています。

大量の餌や抗生物質を使う養殖では、養殖池を長く使うことができません。

いずれ養殖池を確保できなくなり、生産が中止されると予想されています。

冬の味覚の代表であるズワイガニもその減少傾向は同様です。

1960年代前半の漁獲量は福井県で1,500t~2,000tありましたが、今では厳しい漁獲制限のおかげでやっとピーク時の1/4以下の500t~600tの範囲で推移しています。

海洋資源は既に保護をする時代になってきました。

クロマグロの完全養殖

クロマグロはマグロのなかでも最大の魚種であり、大きいものでは全長3 m・体重500 kgまで成長します。

また味が良く、高値で取引されるため、乱獲により個体数の減少が問題視されています。

クロマグロは養殖魚も大量に流通していますが基本的には天然の稚魚を捕獲して育てたものです。

そのため稚魚の乱獲が進めばやがて養殖魚も減少していくことが予想され、厳しい環境のなかでクロマグロの供給を維持していくために「完全養殖」の技術が求められたのです。

完全養殖とは卵の孵化→稚魚の成育→成魚の産卵→卵の孵化→…というサイクルが完成した養殖のことを言います。

クロマグロはデリケートな魚であり、生態もよく知られていないうえ、適切な飼育環境を整えてあげないと、クロマグロの稚魚は突然死してしまうらしく、実現は困難を極めました。

近畿大学の水産研究所は1970年にクロマグロの完全養殖に向け研究に着手し、32年後の2002年に実現しました。

しかし、完全養殖のクロマグロは全体の0.15%にしかならず、美味しいクロマグロを安心して食べられるようになるのはまだまだ先のようです。

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