台風

みなさんこんにちは

特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。

日本中、猛暑が続いています。

古来日本では210日と言われ9月ころから台風の季節に入ります。

近年では温暖化の影響も言われていますが、6月頃から台風発生の報道が言われています。

日本への影響は沖縄を除いてはあまりないようですが、気を付ける必要はあるようです。

源氏物語にも「野分」として記載のある、台風ですが、いろいろな影響をもたらします。

今回は台風について考えてみましょう。

台風もいろいろ

台風(颱風)を正確に定義づけると「太平洋や南シナ海(赤道以北、東経180度以西100度以東)で発生する熱帯低気圧で、最大風速(10分間平均)が34ノット (17.2m/s)以上のもの」ということになります。

皆さんもご存じのように台風と同様な大型の熱帯低気圧は世界各地にあり、アメリカ大陸で被害をもたらす大西洋(太平洋発生のものもある)ハリケーン(Hurricane)やインド洋のサイクロン(Cyclone)、は有名です。

オーストラリア付近のウィリー・ウィリーと呼ばれるものも正式にはサイクロンです。

台風の名前の由来には諸説がありますが、アラビア語で、嵐を意味する「tufan」が東洋に伝わり、「颱風」となり、英語の「typhoon」(タイフーン)となったというのが有力のようです。

我が国では江戸時代まで野分や大風と呼ばれていましたが、明治時代から颶風(ぐふう)と呼ばれるようになり、1956年の「同音の漢字による書きかえの制定」にともなって、台風と書かれるようになったようです。

ところで最近のニュース等での台風の表示がシンプルになったことにお気づきの方も多いと思います。

2000年から気象庁は従来の表示法を変更し、最大風速が32.7m/s以上の強いものについてだけ強い、非常に強い、猛烈なという表現を使うようにしました。

その結果いわゆる並みの台風以下には何も言わないで台風とだけ言うようになりました。

また台風の「大きさ」についても表現を変え、風速15m/s以上の強風域の大きさによって 半径500-800kmの場合に大型(大きい)、800km以上の場合超大型(非常に大きい)と言うようになり、それ以下には何も表示しないことにしました。

“小さくて並みの強さ”の台風でも安心できませんので、どうぞご注意ください。

台風の仕組み

台風やハリケーンなどがどのように発生するかについてはいろいろな説がありましたが、現在では、「偏東風波動説」が多くの支持を集めています。

つまり、南北両半球の北緯(南緯)30度付近には、赤道で上昇して北上した空気が上空に滞留して下降し、「亜熱帯高圧帯」が形成されますが、これらの高気圧から赤道方向に向けて吹き出した風は恒常的な東風(偏東風)になります。

この風の流れの中にうねり(波動)ができると「うずまき」が生じ、熱帯低気圧となるという考えかたです。

なぜ波動が出来るのかはまだはっきりしていません。

こうして発生した波動の多くは発達せずにつぶれてしまいますが、海水の温度が26度以上で、1万メートル以上の上層に高気圧を伴う場合には高気圧の循環による上昇気流の強化により台風に発達すると思われます。

また海水の温度が高いことも重要な条件であり、この高温の海面から蒸発する水蒸気が放出するエネルギーが台風の原動力になっています。

つまり上昇流に伴って空気中の水蒸気は凝結し、熱(潜熱)を放出します。

そして軽くなった空気は上昇します。

すると地上付近では周囲から湿った空気が中心に向かって流れ込み、それが上昇し、さらに熱を放出しエネルギーを与えます。

南海上で発達し、日本列島に接近・上陸すると台風は衰える傾向がありますが、これは、日本列島に近づくと海水温がさがり、熱エネルギーの供給ができなくなり、高緯度からの寒気の影響も受けて雲も渦巻き型が崩れ、さらに上陸して山脈や地上の建物などとの摩擦によってエネルギーを消費するためにエネルギーを消費し、急速に勢力が衰えるようになるためで、こうしたエネルギー供給構造が日本に近づく台風の特徴といえます。

台風のエネルギー

このように海水の熱エネルギーが台風のエネルギー源になっていますが、大きな被害をもたらす台風のエネルギーはいったいどれくらいなのでしょうか?

台風で降った雨量の総雨量をもとに試算をした結果は次の通りです。

1976年の台風17号による総降水量は837億トンで、800億トンの雨を降らせる大型台風のエネルギーは1.8×1020 J(ジュール)と推定されます。

(1J(ジュール)はエネルギーの単位で約100gの物を1m上下させるだけのエネルギー) この台風のエネルギーを他のものと比較すると、広島に投下された原子爆弾(15キロトン相当)のエネルギーは6.3×1013 Jといわれていますので、この台風17号は原子爆弾300万個分のエネルギーを使ったと言えます。

別の比較をすると原子力発電所(百万KW)の1日の発電量は原子爆弾(15キロトン相当)の1.4個分と言われていますので、この原子力発電所をフル稼働させても約5870年運転し続けないと追いつかないということになります。

渇水によって貯水率0%となっていた高知県の早明浦ダムを、たった一日で一気に100%まで回復させた台風もありました。

こうした巨大なエネルギーをもつ台風ですから、なんとかそのエネルギーを有効に活用できるようになれば嬉しいですね。

台風のシーズンは、くれぐれもご用心ください。

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