胃腸の病気とピロリ菌
みなさん こんにちは
特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。
日本人の約半数が罹患しているピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍の原因といわれ、胃がんの発がん物質にも指定されています。
まだその発病のメカニズムが十分には解明されていないものの胃腸病に深く関連していることはわかっているピロリ菌について考えましょう。
ピロリ菌の発見
2~3×0.45μmの細菌で、図のように数本のしっぽがあります。
このしっぽをヘリコプターのように回転させて移動し、らせん状(ヘリコ)の細菌(バクター)で、胃の出口付近の幽門部(ピロリ)に好んで住み着くため、ヘリコバクター・ピロリ(正式名 Helicobacter pylori)と名付けられました。
この菌の発見には長い道のりがありました。
19世紀の終りにポーランドの研究者ジャワスキーが人の胃から、らせん菌を見つけました。
20世紀になると胃の中の細菌と胃疾患との関連に医学研究者の関心が高まりました。
その後1950年代に米国の研究者により、1000を超える胃の生検標本について検討した結果、らせん菌が発見できなかったとの報告が行われました。
強酸性の胃の中には全ての菌が死滅するわけではないものの、細菌にとっても劣悪な環境であり、生息できないという結論が有力となったのです。
1979年、オーストラリアのウォーレンが、胃炎をおこしている胃粘膜にらせん菌が存在していることを発見し、82年に同僚のマーシャルとこのらせん菌を分離・培養することに成功したのでした。
1984年にはマーシャルがこのらせん菌の固まりを自ら飲み込むという人体実験を行い、この菌によって急性胃炎が起きることを証明しました。
ピロリ菌は途上国の年配者が好み!
ピロリ菌の感染には特色があります。
国や地域で大きな差が認められます。
一般に、衛生環境のよくない開発途上国では、若い年齢層から感染率が高く、年代別変化がほとんど認められないといわれています。
欧米諸国では、若い年齢層ではピロリ菌の感染はほとんど認められず、年齢をへるごとに増加していく傾向を示します。
ピロリ菌の感染率は、年齢が増すとともに上昇することが明らかになっています。
日本の場合は、欧米諸国と開発途上国の中間のパターンを示していることが明らかになってきました。
日本の20歳までの若い人たちのピロリ菌の感染率は低く、20%以下の低い値を示しています。
これに対して50歳以上の世代では、感染率が60%以上と極めて高い状態を示しています。
アンモニアをだすピロリ菌
ピロリ菌がどのように潰瘍やガンをおこすか多くの説がありますが、まだはっきりとは分かっていません。
おそらく1つだけでなく複数のメカニズムがからんでいると考えられています。
1)ピロリ菌の出すアンモニアが直接粘膜を傷つける。
2)ピロリ菌が出す毒素で粘液細胞の中にすきまができる。
3)ピロリ菌に感染すると集まってきて炎症をおこす白血球の一種が活性化すると出てく る活性酸素が粘膜を破壊する
などが予想されています。
1994年にWHOが、ピロリ菌は、確実な発癌物質であると認定しています。
これは疫学的研究の結果に基づいており、ピロリ菌感染者では、ピロリ菌(-)の群に比べ、約6倍もの発生リスクとなるという報告もあります。
ヨーグルトでピロリ菌を除去!?
乳酸菌は炭水化物などの糖から乳酸などの酸を作り出す菌の総称で、人間にとって健康上必要な細菌です。
乳酸菌も複数種類あり、ピロリ菌に全て効果があるわけではありません。
ピロリ菌の除菌に高い期待ができる乳酸菌LG21はビフィズス菌属ではなく、ラクトバシルス属に属している乳酸菌になります。
これら乳酸菌がピロリ菌を排除できる理由は、乳酸菌の出す乳酸に弱いことが挙げられます。
またこれらの乳酸菌が増えるとピロリ菌の繁殖に必要な栄養と住居空間を奪っていくことも、ピロリ菌が死滅していく理由です。
ピロリ菌の除菌は2000年より保険の適用になり、病院で除菌することが可能です。
さらに乳酸菌は乳糖利用して、増殖しますが、代謝の終わった乳酸菌は水分を利用して便に吸収されて、また新しい増殖サイクルに入りますので、乳酸菌の増殖の為にはつねに水分と乳糖が供給されることが必要です。
水分が少ない状態は便秘にもつながり、乳酸菌の整腸作用を阻害します。