クラゲー2

みなさんこんちは

特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。

海の生物には神秘が数多く存在します。

クラゲもその神秘のひとつであり、我々が日常知る機会の少ない不思議な力をたくさんもっています。
前回に引き続きクラゲについて考えてみましょう。

クラゲの分類

クラゲは大きく分けて、刺胞(しほう)動物門と有櫛(ゆうしつ)動物門 の2つの門に分けられています。

この2門の大きなちがいは、刺すか、刺さないかです。

名前を見ても分かる通り、刺すのは刺胞動物門のクラゲです。

その刺胞動物門のクラゲは体の大きい順から鉢クラゲ類、立法クラゲ類、ヒドロクラゲ類の3綱(こう)に分類されます。

ほとんどのクラゲが刺胞動物門に属するため、この3綱を“クラゲ御三家”と呼んでいる人もいます。

一方、有櫛動物門のクラゲは一般的にはクシクラゲ類と呼ばれています。

20世紀初頭までは刺胞動物門と同じ腔腸(こうちょう)動物として同じグループにまとめられていましたが、雌雄同体である、刺胞を持たない、全く異なる水管系を持つなど、体制が異なることから別の門に分けられました。

40mのクラゲ!?

一般的にはあまり知られていませんが、世界で最も長い動物は深海に生息するヒドロクラゲ類の管クラゲに属するマヨイアイオイクラゲです。

その体長はなんと40メートルにも達していました。

しかし、このクラゲはいくつもの個体が集まって1つのクラゲを形成する群体性のクラゲで、群体が切れることなく40mという長さまで伸びることができたのは、たまたま運が良かっただけのはなしです。

このような例外を除けば鉢クラゲ類が全クラゲ類の中でもっとも大きく成長します。

中でも特に大きなものが、エチゼンクラゲです。大きなものになると体重が1トン、傘経だけで4メートルを超えるものもいます。

↑エチゼンクラゲ

ニュースなどでよく見かける人も多いと思いますが、魚網や漁具にこんなに大きなクラゲが引っかかってしまうと、簡単に壊されてしまいます。

これが数千・数万と大挙して押し寄せてくるのですから、漁業関係者にはたまったものではありません。

食べれば良いのではないかと考える人も多いかもしれません。

事実、エチゼンクラゲも中華料理などで食用として利用されていますが、クラゲを食用に加工するためには、石灰やミョウバンや塩で大体3週間かけて水分を抜く必要があります。

クラゲの体は90%以上が水分であるため、200キロのクラゲであっても加工すると10%…つまり20キロ程度にまで縮んでしまうそうです。

掬い上げるための労力と加工の効率の悪さなど、問題が山積みなため、厄介者として扱われているのです。

こういった巨大なクラゲがいる一方で、鉢クラゲ類にはとてつもなく小さなクラゲもいます。

その1つがエフィラクラゲです。

このクラゲはエフィラと呼ばれる幼体のまま大きくなることがない早熟なクラゲで、その大きさはたったの数ミリしかありません。

このように大小様々であることもクラゲの特徴の一つです。

不老不死?の可能性

地球上に生きる多細胞動物は約140万種いますが、そのすべては、性の獲得とともに寿命が尽きるようになりました。

しかし、この世に1種だけ例外がいます。

それがヒドロクラゲ類のベニクラゲです。

↑ベニクラゲ

このクラゲだけは人類が長年夢見てきた若返りを、いとも簡単に、常温で、たったの2日で、しかも繰り返し行うことができてしまう、不老不死を体現できる動物なのです。

ベニクラゲも外敵に襲われ傷ついてしまうと泳げなくなって海底に沈みます。

そして、すべてのヒドロクラゲ類がたどるようにゼラチン質の部分が退化し、触手は消え、団子のような塊になります。

普通のヒドロクラゲ類は、この状態になったあとすべてが海中に溶け去ってしまいます。

しかし、ベニクラゲだけは食物繊維の膜で団子全体を覆うことができ、そのまま海底の硬いものに付着します。

そして身体の至るところから植物の根のようなものを伸ばし始め、その根がある程度伸びると茎のようなものを一本だけ上方に伸長させ、先端に花のような構造を作ります。

ここから若返ったポリプが誕生します。

現在は最大で6回の若返りを果たせることが確認されています。

ちなみに、ベニクラゲは傘の縁をほんの少し切り取った場合でも、その小片から若返りを果たせます。

この若返りのシステムにはまだまだ謎が多いのですが、今後研究が進んでいくことで人類の病気や延命などに応用させることが可能になるかもしれません。

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