カミナリ(雷)2
みなさん こんにちは。
特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。
毎年、雷によって多くの人が被害に会い、時には死亡しています。
前回は雷のメカニズムについて触れましたが、今回は雷による被害について考えてみましょう。
落雷の危険性
落雷による被害は家に落ちて家電製品を壊してしまうだけでなく、最悪の場合、人に落ちて重体事故や感電死を招く可能性があり非常に危険です。
落雷による死亡事故が多くなるのは夏の時期で、落雷による年間死亡者数の約70%が6月・7月・8月に集中しています。
また、生活の中で、もっとも落雷の被害に合いやすいのは海などで「釣り」をしている時です。
海などでは高い建物も周りにないため、避難できる場所が少なく、釣り竿が落雷を引き寄せてしまうので、被害に合いやすいのだと考えられています。
そのため、釣りをしている時に雲行きが怪しくなってきた時には大事を取って避難したほうが良いでしょう。
ちなみに、アメリカでは落雷に関する非常に興味深いデータが出ています。
なんと、アメリカにおいて落雷で死亡した人の約8割が男性だというデータがアメリカ国立気象局(NOAA)より発表されました。
同局が、2006年以降に起った落雷事故の状況を詳しく調べたところ、雷に打たれて死亡した人は2014年7月までに261人いるが、そのうちの211人が男性であったということです。
このデータはまるで男性のみを故意に狙って雷が落ちているかのようにも見えますが、専門家の間ではもっと別の理由が考えられています。
同局の調査によれば、落雷で死亡した人のほとんどは、海上での魚釣りや原野でのキャンプといったアウトドアの最中であったようです。
また、死亡した人の中には、雷が鳴っているにもかかわらず、建物の屋根葺きをしていた人や、危険と言われている高い木の近くに居た人がいるようです。
これらの情報から推測し、「男性は雷を甘く見ていて、雷に自分の行動を妨げられるのを嫌うために、安全な場所に避難するのが遅れるのではないか?」と、専門家は見ているようです。
雷に撃たれ、ギネスに認定された男
人生で7回も雷にうたれた不運な男性をご存知でしょうか?
彼の名はロイ・サリバン(Roy Sullivan/1912-1983)といい、望まずして人間避雷針の異名をとってしまった悲運の男性です。
サリバンへの落雷は、世界記録としてギネスブックに認定されているため、医師による診断書などのちゃんとした情報として残っています。
人体への落雷といってもピンキリで簡単に説明すると、我々がイメージする天罰風の落雷が直撃雷 (致死率80%)、落雷を受けた物や人の近くにいるときの放電による被害が側撃雷、落雷地点の近くで座ったり、寝転んだりしているときに、地表面に流れる電気に感電する歩幅電圧障害という3種類があるそうです。
サリバンの場合は1~6回目の落雷までは基本的に側撃雷に部類されるようで7回目の落雷のみが直撃雷であると考えられています。
落雷は1回目が1942年、そして2回目以降からは69年~77年の8年間に6回という矢継ぎ早で被害に遭っています。
そのため、彼は4回目以降からは超常的な何かが自分を狙っていると怯えていたようです。
しかし、彼にまつわるエピソードで一番不可解なのは死因が自殺であったということです。
一説では失恋による心傷が原因であると言われていますが、真実はサリバンのみが知るところとなっています。
雷の有効利用は不可能?
現在、風力発電・太陽光発電などの様々なクリーンエネルギーによる電力の確保が、日夜研究されていますが電気そのものである落雷のエネルギーはなぜ注目を集めていないのでしょうか?
その理由は「瞬間性」にあります。
落雷の1回の放電量は数万~数十万アンペア、電圧は1~10億ボルト、電力に換算すると平均約900ギガワット…つまり100W電球90億個分に相当するエネルギー量となります。
しかし、これが1/1000秒の間に発生しているのが問題なのです。
この瞬間的に巨大なエネルギーを蓄電するためには、巨大な蓄電装置でないと受け入れることができません。
いわばバケツ一杯の水を取水するためにナイアガラの滝の下でバケツを構えて水をためようとするようなものです。
こうした巨大蓄電装置ではコストに合いません。
全国各地の落雷を一か所の蓄電装置で受け止めることができ、しかも各地の落雷を常に捉えられて装置が常に受電できれば可能かもしれませんが、現在の技術ではまだできません。
雷自体の強弱の差も激しいため、とても安定供給は望めないのです。
しかし、大きなエネルギーなので今後の展開に期待したいですね。