エコノミークラス症候群は水で予防する?
みなさんこんにちは
特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。
夏の時期に長時間の旅行する人へ。
少し前の話になりますが、エコノミークラス症候群という言葉が、世間をにぎわしたことがありました。
この言葉は飛行機のエコノミークラスだけに発生するとは限りません。
長時間の旅行や帰省時の渋滞など、また災害の被災者の方などにも関係のある病気です。
今回は、エコノミークラス症候群について考えましょう。
エコノミークラスだけに発病?
2000年9月、と言いますから随分昔の話になりますが、ニューヨークから成田空港に到着した愛知県の53歳の女性が空港に降りた直後に具合悪くなり、心肺機能が止まり死亡するという事件が起こりました。
ロンドンのヒースロー空港を担当するアシュフォード緊急病院の 医師チーム調べでは、推定2000人以上の英国人が本症候群で死亡していると報告しております。
わが国でも、「財団法人航空医学研究センター」の調査によれば、1993年から2000年の8年間で44例(40例が女性)が発症し、4人が死亡したと報告しております。
平均搭乗時間は11.6時間で、31例がエコノミークラス、6例がビジネスクラスでした。
成田空港にある新東京国際航空クリニックの調査によると、成田空港では、8年間に25名がエコノミークラス症候群で死亡したと報告されています。
同症候群により同空港到着後、病院に収容された重症患者は昨年1年間で50~60名、軽症患者を含めると150名にものぼると報告されています。
2002年4月当時のジュビロ磐田・日本代表候補FWの高原直泰選手(22歳)がポーランド遠征から帰国後、エコノミークラス症候群である肺動脈血栓塞栓症にかかりました。
日本代表の海外遠征はすべてビジネスクラスを利用していますが、ポーランドからの帰路14時間(9,500キロ)の飛行中、疲れから水分もとらず長時間同じ姿勢で熟睡したようです。
また新潟県中越沖地震の発生後、自宅が倒壊した被害者で3日間以上自動車で寝起きした中高年者の方に、肺塞栓症(エコノミークラス症候詳)が起こりました。
さらに勤務中に肺梗塞で死亡した大阪府門真市の男性タクシー運転手は大阪労働局が長時間座り続けたことによるエコノミークラス症候群が原因だったとして労災認定されています。
航空機以外でも、長距離列車、長距離バス、長距離船舶や観劇、パソコンなどで、長時間一定の姿勢を続けておりますと同様の危険があります。
最近では旅行血栓症という用語も広く使われており、医学的に言うと旅行中(特に飛行機の中)に起こる深部静脈血栓症に伴った急性肺動脈血栓塞栓症のことを言います。
どのような症状?
なぜこのような突然の死にいたる症状が起きるのかは次のように考えられています。
長時間、同じ姿勢でいたためにふとももの付け根やひざの裏の静脈に血栓(深部静脈血栓)が生じ、立ち上がって歩き始めた瞬間に血流に乗って流れ始め、肺で詰まってしまったためと考えられます。
飛行機が目的地に着陸し、席を立つと、長時間圧迫されていた足の静脈に付着していた血栓が血管壁からはがれ、静脈流に乗って肺にとび、肺の血管を閉塞(詰まらせること)させ、急性肺動脈血栓塞栓症が起こります。
この血栓が、脳に移動して血管を閉塞させると脳塞栓、心臓の血管を閉塞させると急性心筋梗塞となり、とても危険です。
深部静脈血栓症の症状は、下腿が赤くなり、はれ・痛みなどがあらわれます。
急性肺動脈血栓塞栓症になると胸痛、失神、呼吸困難、心拍数の増加、意識消失などです。
なぜ飛行機の中で発生しやすいかについては
1) 長時間座ったままでいるため、下肢を圧迫し下肢の静脈のうつ滞をおこし、さらに血栓ができ易くなります。
2) 機内が常に空調されているため乾燥(機内温度は24度前後で、湿度は飛行時間が長くなると10~20%以下に低下)しているので1時間に80mlの水分が蒸発し、脱水状態になり易いのです。
3) アルコールやコーヒーを摂取すると利尿作用によりさらに脱水状態になり易いのです。
4) 機内の気圧と酸素濃度が低下し、体調を崩すことになります。
5)トイレなどに一度も席を立たなかった人は運動不足で血栓ができ易くなります。
エコノミー症候群は水で流す!
エコノミー症候群の予防法としては
1) 飛行機機内では座りっぱなしでいることが多いので、血流の流れが悪くなります。
手足を動かしたり、歩き回ったり、ストレッチ、体操などをして、体を動かしましょう。
2) 水を5時間で1リットル以上の割合で飲んで水分を補給しましょう。
3) ジーパンなど体を締めつける服は避け、ゆったりとした衣類を身につけましょう。
足に弾性ストッキングを使用するのも有効的です。
水に気をつけて、どうぞ楽しいご旅行をお楽しみください!!