蚊(か)

みなさんこんにちは

特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。

これからの暑い時期は蚊が発生し、刺されるとその痒みに悩まされる季節が来ました。

空き缶や、ポリバケツの裏等、ちょっとした水たまりで蚊は発生してしまいます。

昔の川柳に、

世の中に 蚊ほど煩き ものは無し

ブンブと言って 夜も眠れず

とあります。

蚊によってもたらされる病気も話題になり、単なる虫刺されなどと軽視できない問題となっています。

今回は蚊について考えてみましょう。

蚊の生態

吸血する蚊は産卵時期のメスであるという話は有名ですが、一生の間にメスの蚊は1~4回ほど吸血-産卵-吸血のサイクルを繰り返します。

吸血後にメスは卵が成熟するまで安全な場所で2~3日休止しています。

その間は他の動物を吸血する事はありません。

卵が成熟するとメスは適当な水たまりに卵を産み、すぐに次の吸血の準備をします。

蚊の卵は水面に産みつけられ、2~3日で孵化しそこでボウフラ時代を過ごします。

ボウフラは水中の落ち葉や自分よりも小さな生物などを餌として、1週間~1ヶ月ほど掛けて、サナギになり2~3日後に羽化して成虫になります。

羽化後1日は体の骨格がちゃんとするまでじっとおとなしくしていますが、成虫としての準備が調うと、オスとメスは交尾し、羽化後2~3日でメスは卵の成熟に必要な栄養素を得るために動物から吸血します。

ちなみに蚊は普段、植物の蜜や果汁などの糖分を含む液体を餌にして活動しています。

人類の天敵=蚊?

あらゆる動物の中で一番「人間を殺害している動物」は蚊であると言われています。

2014年に日本国内でデング熱が約70年ぶりに流行し、162名の患者が確認されました。

デング熱は、デングウイルスを持つ蚊に刺されて感染します。

現在まだ確立された治療法が存在しない病気です。

主な症状としては38℃を超える高熱に始まり、インフルエンザに似た症状に加え、全身に発疹が出てきます。

重症化した場合は血便や血尿を伴うデング出血熱に発展する場合がありますが、致死率は意外と少なく1%未満であると考えられています。

日本ではこれまでほとんど話題にならなかったデング熱ですが、現在は中南米、東南アジア、西太平洋地域の120カ国に常在し、全世界の人口の半数以上にあたる36億人が感染リスクにさらされている病気です。

東南アジアなどに多く生息するヤブカの一種(ネッタイシマカ)が主な感染源とされています。

この蚊は日本国内には分布しておらず、海外旅行先などで感染するケースに限られていました。

しかし、国際交流の増加、温暖化による媒介となる蚊の生息域の拡大などのため日本でも、以前から発生の可能性が指摘されており、それが現実になったものなのです。

2014年に国内で発症した人の多くは日本に生息するヒトスジシマカによるものでした。

これは海外に渡航しウイルスに感染した人が帰国後にヒトスジシマカに刺され、そのウイルスが蚊の体内で増殖し、他の人を刺して感染拡大したものと考えられています。

このように蚊は生物の体液をその体に取り入れた際に病原体まで取り込んでしまうケースが多々有ります。

結核・エイズに続き世界3大感染病の1つとされているマラリアも蚊が原因となる病気です。

マラリアは毎年約2億2千万人が感染し約66万人以上を死亡させる地球規模の解決すべき重要課題となっています。

蚊の根絶?

世界では今までに蚊を根絶するあらゆる方法について考えてきました。

殺虫剤などの薬剤を散布する方法もその一つです。

しかし、この方法では蚊の方も薬剤への耐性や抵抗力を身につけてしまい、最悪の場合イタチごっこになってしまい、解決に繋がりません。

他の方法としては蚊の天敵を飼育し放つという方法もあります。

蚊の天敵はツバメやトンボ、クモ、カエルといった動物です。

しかし、特定の生物だけが増えた場合にはそれによって生態系への影響が出る懸念がある他、うまくいったとしても最終的には食料となる蚊が減るわけですから、それを食べていた動物の数をどのように維持するのかという問題も浮上します。

このように、一朝一夕には最良の方法が見つからないとても困難な問題なのです。

昨今は人工的に不妊化した蚊を大量に放つことで、蚊の繁殖を妨げようという方法が注目されています。

これは「不妊虫放飼(ふにんふちゅうほうし)」という方法で、特定の害虫を根絶する目的で行われる方法です。

実際に沖縄などでは「ゾウリムシ」や「ウリミバエ」を10年以上という年月をかけて根絶することに成功し、蚊に対しても有効であると考えられています。

ただし、蚊の根絶によって引き起こされる生態系への思わぬダメージなどを示唆する声もあがっています。

後悔がないようにくれぐれも注意したいですね。

 

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