川をきれいに!
みなさんこんにちは
特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。
夏となり水辺に親しむことも多くなります。
身近な水辺として河川は生活に切り離せないものですが、その川がずいぶん汚染されて公害問題として取り上げられた時代もありました。
しかし最近では自治体や地域での浄化活動で元の清浄さをとりもどしつつあるようです。
今回は川の浄化について考えてみましょう。
川はきれいになってきた
公害問題が顕在化してきた昭和40年代以降、全国の河川では水質汚濁の著しい進行で、「汚い、臭い、遊べない」といわれる河川が多かったようです。
1971年(昭和46年)全国の1級河川でBOD(注)の平均値が5.0mg/ℓを超え、水質改善が急務であった地点は、全調査地点の27%を占めていました。
しかし、このような全国の一級河川の水質も、これまでの排水規制、下水道整備、河川浄化事業等の推進により徐々に改善されてきました。
2004年(平成16年)には、サケやアユが生息できる環境の目安となるBOD75%値が3.0mg/ℓ以下である地点は、河川の調査地点全体の9割以上に増えてきています。
例えば、1960年代の多摩川は水質悪化が進み、洗剤の泡が浮く汚濁河川でしたが、1970年代後半には、アユの遡上が確認されるまでに水質が改善されました。
近年では多摩川は清流といわれている四万十川と比較しても遜色のない程度の良好な水質となっています。
同じく綾瀬川及び大和川は、1965年代(昭和40年代)には水質汚濁が著しく、BOD75%値で30mg/ℓを超え、一級河川の中では常にワースト5に入る河川でした。
しかし水質改善の取り組みにより改善が図られ、特に大和川では2004年(平成16年)の代表地点のBOD75%値が4.8mg/ℓとなり、コイやフナが生息できる水質(BOD75%値で5.0mg/ℓ以下)を確保するまでになってきました。
清流 多摩川の鮭・鮎
汚濁で悪名高かった多摩川は前述のように水質が改善され鮎の遡上が見られるようになりました。
今年もこの季節が鮎の遡上のピークになっています。
東京都農林水産総合センターでは毎年、多摩川を遡上するアユの調査を実施しております。
2007年には127万匹、2008年は214万匹の鮎が遡上したとのこと。
多摩川は全長134キロ。
東京湾河口から約42,3キロのJR中央線鉄橋下では堰に設けられた魚道を登ってきた鮎を調査しています。
調査で捕獲した鮎は10cm前後の体長で、1時間網をかけて20匹以上が網にかかっていたそうです。
地域の浄化活動が貢献
西広瀬小学校は、愛知県豊田市の東北部にあり、学校の前を矢作川の本流が流れる全校児童71名(令和3年現在)の小規模な学校です。
支流の飯野川を「昔のようにきいな流れの中で遊ぶことができる川にしたい」と、児童が自発的に川掃除を始めたのを契機に1976年から矢作川の水質汚濁測定を開始して以来、一日も休むことなく後輩の手に受け継がれて、今年で46年目を迎えている。
同校児童の汚濁調査が導火線となり、他学区や各種団体が矢作川の清掃などを始めとする河川浄化の輪が広がりました。
また、校区を通る「東海自然歩道の整備、ゲンジボタルや川魚の飼育等にも取り組み、全校あげて積極的な自然愛護活動を展開しています。
同校は2001年第1回日本水質大賞で特別賞を受賞しました。
宮城県の梅田川は長さ15kmの二級河川で、流路が全て仙台の市街地にある「まちなかの川」です。
1960年(昭和35年)代から1980年(昭和55年)代初めは、下水処理施設の不備やゴミの投棄などで、水質も川辺の環境も悪い「仙台のドブ川」と称される川でした。
その後、下水処理施設の整備や地域住民による環境改善活動が行われ、梅田川の環境は大きく改善されました。
川辺の一部が公園として整備されたり、道路が設置され、散歩道として活用されたりと、人々が気持ちよく利用できる場となりました。
川では白鳥や雁が羽を休めたり、フナやメダカが生息するなど自然環境も守られ、2008年(平成20年)11月には、鮭の遡上・産卵行動が見られました。
このように地域住民が主導した川の浄化活動の輪は少しずつ広がっています。
こうした活動の行われた地域では地域全体の連帯が深まり、地区の活性化にも繋がっています。
川を利用した交流事業も拡大しており、水が人々の結びつきをより深めていくようになって本来の川の役割が再評価されるようになってきました。