お酒 その2(日本酒)
こんにちは
特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。
前回はお酒の成分であるアルコールについて触れましたが、日本人はいつ頃お酒に出会ったのでしょうか?
今回はお酒の文化や日本酒について考えてみましょう。
酒文化の始まり
日本列島に住む人々がいつ頃から米を原料とした酒を造るようになったのかは定かではありませんが、
稲作(特に水稲の耕作)が定着し、米が収穫できるようになった後であると言われています。
初めて日本に「酒」という文字が記述されたのは西暦1世紀頃ですが、それ以前の記録などにも酒が存在していたことをほのめかす内容の資料はいくつかあります。
例えば、紀元前1000年頃の記述に「鬯草(ちょうそう)」と言う名詞が書かれています。
この「鬯草」は酒に浸して作製した薬草のことなのです。
つまり、この時代にはすでに日本の何処かに何らかの酒類が存在した可能性を示唆しています。
また、紀元前1000年前後の縄文式竪穴から、酒が存在した痕跡が発見されています。
日本の酒の起源に関する研究はまだまだ進んでいないのが現状ですが、今後その原点に迫るものが新しく発見されるかもしれません。
日本酒(清酒)とは
日本酒は、通常は米と麹と水を主な原料とする清酒(せいしゅ)を指します。
日本特有の製法で醸造(じょうぞう)された酒で、原料に酵母を加えアルコール発酵させる酒を指す醸造酒に分類されます。
醸造酒には種類があり、
①原料自体に糖分を多く含み、酵母を加えるだけでアルコール発酵する ワインなどの【単発酵酒】
②デンプンを一度糖に変化させ、その工程の後に発酵を行われる ビールなどの【単行複発酵酒】
③デンプンの糖化とアルコール発酵が同時進行で行われる 日本酒などの【並行複発酵酒】
に区別されています。
さて、日本酒に付いているラベルの見方はご存知でしょうか?
一般的に【日本酒度】を見るといわゆる「甘口」「辛口」が識別できると言われています。
しかし実のところ「甘口」「辛口」には【日本酒度】だけではなく【酸度】も大きく関係しているため、判断の目安にしかならないようです。
ちなみに【日本酒度】と【酸度】から計算される「甘辛度」というものがちゃんと用意されているので、
「甘口」「辛口」を確認したい場合には「甘辛度」を確認するのが無難なようです。
「甘辛度」は0を基準に、
3に近づくほど「甘口」になり、
-3に近づくほど「辛口」になります。
【日本酒度】は本来、そのお酒の比重を示すもので、
0を境に水よりも軽いものは+(プラス)、
水よりも重いものは-(マイナス)となります。
【酸度】はそのお酒の濃淡を示すもので、現代の清酒の場合は平均で1.3~1.5程度と言われているので、平均よりも数字が小さいと「淡麗」になり、大きいと「濃醇」になります。
【精米歩合】とは精米後、元の玄米に対して何%残したのかを示しています。
日本酒を造る際に、精米によって雑味の原因となる米のタンパク質や脂肪灰分を取り除き、デンプンが多い中心部分だけを残すことを「米を磨く」と言います。
普段食卓で口にしているお米が90%程度の【精米歩合】であるのに対し、
普通酒の場合75%程度、醸造酒や純米酒は70%以下、吟醸酒に関しては60%以下まで米を磨いて作っています。
その磨き加減(精米歩合)によって、吸水率がよく、糖化性に優れ、醸造した液体のなかで溶けやすくなるように、特長をうまく引き出しているのです。
玄米を磨けば磨くほど日本酒を造るのに適したデンプンの多い米になるのですが、【精米歩合】が低いほど米粒は小さくなるため、その分多くのお米が必要になり、価格の高い贅沢なお酒になります。
ラベルには他にも様々な情報が書かれているので、一度調べてみると面白いかもしれません。
祭り と お酒
日本酒と同じくお米を使ったお酒に「口噛酒(くちかみざけ)」というものがあります。
その作り方は読んで字のごとく、生米を噛んで、水が張ってある容器に吐き戻し、一晩以上の時間をおいてお酒になるのを待つだけです。
非常に原始的な醸造法であるため、東アジアから南太平洋、中南米にも分布しているほどポピュラーな製法であるとも言えます。
日本ではこれを主に女性に作らせることが多く、神を祀る儀式の時に振る舞う行事が古くから行われてきました。
神代の時代から、お酒は神様と人間をつなぐものとして存在していました。
人々は、収穫された米を神様に捧げる際にお酒を作って供えることで、来期の豊穣を祈願すると同時に、供えられたお酒を、その後の宴会において一同で飲むことになります。
神様が召し上がったものをいただくことで、神様との結び付きを強くし、また力を分けてもらうことを期待したのでしょう。