水が腐るとは?

みなさんこんにちは

特殊水処理機『新ん泉』の櫻井です。

大航海時代、現代のような知識も無かったため、水の確保には苦労していたようです。

そこで当時の船乗りたちは水よりも腐りにくく不足しがちな栄養も摂取できるラム酒を飲むようにしていたようです。

今回は「水が腐る」とはどういうことなのか考えてみましょう。

腐敗とは

腐敗(ふはい)とは生物由来の有機物(特にタンパク質などの窒素を含んだモノ)が微生物などによって分解されることです。

特に細菌、真菌、酵母などで腐敗をもたらす原因となる微生物のことを腐敗微生物と呼びます。

さらにその中でも細菌の場合を腐敗細菌と呼びます。

腐敗物は独特のニオイ(主に硫化水素やアンモニアなどによる悪臭)を放ちます。

また、腐敗によって増殖した微生物が病原性のものであった場合には有毒物質を生じ、食中毒の原因にもなります。

腐敗と一言で言っても、その腐敗の具体的内容は多岐にわたりmas、種類、保存されている温度、環境などの条件によって様々に変化します。

その条件によって働く微生物が大きく異なるからです。

腐敗は有史以来、人間の生活、特に食品衛生に関しては常に問題であり続けています。

それゆえに「腐敗」という単語には負のイメージが付きまといますが、

「生物遺骸を無機物に還元する」という生態系において不可欠な物質循環の一部であり、人間は直接的もしくは間接的に、その作用の恩恵を受けています。

そして腐敗という現象は、人間が特にそれを阻止しようと努めない限りは、自然に発生します。

水が腐るとは

本来、水(H2O)は無機物なので腐ることはありません。

しかし、水の中には様々なものが溶け込んでおり、また保存方法によっては空気中の細菌が紛れ込んだりします。

そのため水のそのものではなく、水の中に含まれているモノを起点として「水が腐る」という現象が起きてしまうのです。

一番考えられる要因は、水中に生息する細菌や微生物などが増殖して水が腐るパターンです。

例えば、名水と呼ばれる湧き水を汲み置きする場合、

汲んできた水の中や、ペットボトルに付着している細菌の数をゼロにすることは出来ません。

その他にも空気から入り込む細菌などがあり、われわれ一般人がそれらの侵入を防ぎながら天然の湧き水を汲むというのは、知識があっても不可能なことです。

その際にボトルに付着している細菌や空気中の細菌などが腹痛を起こすレベルまで増殖する期間は、付着した菌の種類や初期の細菌数にもよるため一概にいえませんが、数日から10日前後であると予想されています。

名水と呼ばれるような清らかなイメージの水であっても、汲んできた天然の水には必ず細菌たちがいます。

そして、たとえ最初は無害な水であったとしても、時間とともに初期の細菌の屍骸が増え、細菌たちはそれらを栄養源として増殖することが可能なのです。

水がとてもきれいだとしても、汲んできた天然の水は数日で消費するのはもちろんのこと、

飲む直前に加熱処理をして利用するのが無難であると思われます。

また、死骸の話から分かる通り、たとえ「殺菌」をしていても完全に細菌たちを消滅してなければ、再び増殖して危険になることがあるのです。

そのため、本来であれば消毒能力を持つ水道水であっても、

一度沸騰させた水道水、家庭用の浄水器を通した水道水、などは消毒能力を失った状態になっているため、長期間の保存には好ましくありません。

水は生ものであり消費期限があるものだととらえ、なるべく早めに消費するように心がけましょう。

ちなみに氷の場合であっても低温下で増殖できる細菌はたくさんいますので、冷凍庫の製氷機能を用いる際には容器を清潔な状態にし、水も出来るだけ消毒能力をもつ水道水を利用しなければなりません。

水道局によると、朝一番の水や、長い期間使用していなかった場合には、水道管の一カ所に滞留している事がある為、消毒用の塩素が少なくなっていることがあるそうです。

念のため朝一番や長時間留守にした後などの場合は、バケツ一杯程度の水道水は飲用や調理以外の用途に使うようにしましょう。

水道水の保存方法

水道水はとても安価で、大量に入手可能で、消毒用の塩素が含まれているため、

災害用水をあらかじめ一般家庭で確保するために水道水をポリ容器に入れて保存する人も少なくありません。

しかし、保存方法を誤るといざ必要となったときに、水が腐って飲めなくなっているおそれがありますので、 保存には十分注意が必要です。

東京都水道局では下記のような指導を行っております。

水道水をくみ置く際の留意事項

ポイント① 蓋のできる容器に口元まで

清潔で蓋のできる容器に、できるだけ空気に触れないよう、口元まで一杯に水道水を入れてください。

浄水器を通したり、沸かしたりすると、消毒用の塩素が除去されてしまいます。

必ず蛇口から注ぎ、沸かさずに保存しましょう。

くみ置きした水は雑菌が入らないよう、直接口を付けずにコップなどに注いでから飲みましょう。

ポイント② 1人1日3リットル

人間に必要な水の量は1人1日3リットルです。この量を目安に、3日分程度のくみ置きをしてください。

ポイント③ 常温で3日間、冷蔵庫では10日間

塩素の消毒効果は、直射日光を避けて常温で保存すれば3日程度、冷蔵庫で保存すれば10日程度持続します。

日付をメモしておくと便利です。

保存期間が過ぎたら、掃除や洗濯などにお使いください。

引用元:水道水を汲み置く際の留意事項(東京都水道局)


また、東京都水道局の指導とは乖離してしまうかもしれませんが

水道水の保管を行った下記のような実験の結果報告があります。

平成27年に静岡県磐田市が行った水道水の保存期間についての検証実験によると

  • 水道水の安全基準である残留塩素濃度は、水温に大きく影響を受けるが、家庭で保存する方法として冷蔵庫を使用したら3ヶ月以上保存が可能である
  • 水の長期保存の大敵は、容器の外部から侵入する雑菌であると想定し実験したが、今回の実験では空気中からの雑菌の影響は受けなかった

ということでした。

ただし、雑菌は私たちの口の中に多く存在するので、保存途中に直接口を付けて飲んだ場合は、ボトル中の水がその段階で雑菌で汚染され、保存期間はもっと極端に短期間になってしまうと予想されます。

一度口を付けてしまった水は、たとえ水道水であっても早めに飲み切ることを心掛けましょう。

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